2015年3月30日月曜日

チョッといい話~筋ジストロフィー症のS君

生後三か月に先天性筋ジストロフィーと診断され、
今では寝たきり、呼吸器を装着している二十七歳のS君は、
とても前向きで、元気な方です。

先日、S君は幼馴染みのAちゃん(女の子)の結婚式に、
両親と共に招待されました。
「僕が、二人のキューピットだ!」と自負するS君、
心から喜んでいました。

結婚式会場はディズニーランド、小さい頃からS君も大好き。
そこでお母さんが「髪をミッキーのマークに刈り込んだら」と提案、
訪問入浴の方が協力し、写真のような髪型で結婚式へ参加したそうです。

なんとも、お茶目で微笑ましいご家族です。



あいあい研修 キネステ理論に基づいた介護、移動、移乗の支援



 去る2月19日(木)片町文化センターにて、
『キネステ理論に基づいた介護、移動、移乗の支援』の研修が行われ、
約25名が参加しました。 

講師は、訪問看護ほっとステーションの殿岡登代さん、
重度訪問介護従事者養成研修でもお世話になっており、
和気あいあいとした雰囲気の中で研修が始まりました。

キネステとは、ドイツで開発され1999年に日本に紹介された
「人の動きの学問」だそうです。
自分で動けなくなっても、生まれながらにして
備わっている「身体を動かす感覚」は忘れていず、
「動きの感覚」を最大限生かしつつ、自力で動かすために
不足している部分を支援するという介護技術の説明を簡単にうけた後、
介護者と障がい者という設定でペアになり、実習をしました。

講師に指導されながら、介護者が、障がい者を
仰臥位(ぎょうがい・仰向けに寝ている状態)から両足立ちに…
筋肉と骨つぎをうまく使い、力を使わずにすっと立ち上がったことに、
みんな驚いていました。

あっという間に時間が過ぎ、終わったあとも参加者の熱心な質問がしばらく続きました。

【参加者の感想】

☆知識も経験もないので難しかったが、講師の話や実技は参考になった。

☆人間の自然な動作を基にできた方法に、とても共感しました。1回の講義では理解出来ず、再度講座をお願いしたいと思いました。

☆今までに2~3回習ったが、日常的に使うことがなかった。今回参加して、日常的にこの技術を使っていきたいと思いました。

☆以前、キネステの講義を受けしばらく使っていたが、いつの間にか忘れていました。再度講義を聞いて介護に生かしたいと思ったが、もっと応用できるように深く学んでいかないと以前のように生かしきれないと感じました。

☆今回は人数が多かった。今度は少人数で、ベット上や、症例別など、利用者さんや実際の状況に合わせた細かいまでしてほしい。指導者を何人か育成して、全ヘルパーに指導してほしいとも思いました。

☆研修を受けた夜に、夫に横になってもらい実践してみました。簡単に立ったので、「お~」と驚いていました。

☆道端で立てない人を見かけ、ヨシッと決心して、キネステで立たせたヘルパーがいました。役に立ちます。

2015年3月4日水曜日

あいあい研修 ガイド、同行援護スキルアップ研修

あいあい研修 ガイド、同行援護スキルアップ研修の報告


 去る1月26日(月)、あいあい研修 『ガイド、同行援護スキルアップ研修』が
住吉文化センターにて開かれ、ガイドヘルパー体験者、
仕事をしようとしている方など、約20名が参加しました。

講師は、あいあいのガイドヘルパーであり、
社会福祉協議会の講座等でも講師をされていた久万ひろみさん。

基本的なガイドヘルパーとしての心得から、
ビニール紐で目を隠しての視覚障がい者の模擬体験、
ペアでガイドヘルパーの演習、質疑応答がなされました。
ガイドヘルパー体験のあるヘルパーさんたちからは、
活発な質問がなされ、有意義な時間となったようで、
次回の研修をのぞむ声も多くありました。

以下は、参加者の感想です

(1)印象的な話は?
★ 久万さんでも、心が折れそうになったことがあり、
努力されてそれを乗り越えてつづけられているとおっしゃったことです。
どんな仕事でも悩みがあり、皆に助けられて続けていけるのだと思います。
悩みを吐き出す場があり、それを支える人達がいるあいあいは、
とても良い場なので、体力と相談しながら続けたいと思います。

★ 久万さんの失敗談やガイドヘルプにおける心構え、
実際にイスへ誘導していただいたことが印象に残っています。
特に「まったく目が見えない人を前提に、様々なことを構成し考えている」(大意)という
考えをお聞きできたことが、研修最大の収穫だと思っています。

★ 体験談の中での失敗例、ヒヤリハットを共有することが大事なことだと思いました。

★ 実際の事例を挙げて下さり、何年もかけて、
培った技術の最も大切なポイントを教えて下さり、とても説得力がありました。
利用者さんとお話をする際に、目線、目の高さに合わせる
又は、姿勢を下げてお話しをすることに努めていました。
ガイドヘルパー、ガイドをしている際は、
進行方向に真直ぐ目を向け、
利用者さんの方を見ないという点はやりがちな行為でしたので、
お話を聞き、大変勉強になりました。

★ 説明を聞くと、視覚障碍者の立場にたてば
どれも納得することなのですが、なかなか現場ではやれていないことが
あまりに多いということがわかりました。
例えば、ひっぱらない、空間に放置しない。
足が利用者さんと同じ方向に向くようにまっすぐ歩くことなど。

★ 歩き方のテクニックの話は、もっと伺いたいと思いました。


(2)演習したの感想

★ 安心して外出するためにガイドヘルパーを利用されている方が、
ヘルパーの動作や言動次第で
不安を感じてしまうことはあってはならないと思いました。
利用者役を行うことで不安を感じやすいポイントを把握し、
ヘルパー役を行うという演習を経験できて良かったです。

★ 障害物への回避の仕方、狭い所の誘導の仕方。
言葉、会話で伝えるより、体の動きで伝えるを学習しました。

★ 皆さんの体験談や講師の方のお話を直接聞くことが出来、
すぐに質問、実践することができたことが良かったです。

★ ビニールテープで目を隠してみて、
「影がなんとなく見える」と利用者さんが言われていたことが、
イメージできたように思いました。
光を感じることができても、急に明るくなったり、暗くなったり
そこに恐怖を覚え、人の声が近くにあるとぶつかりそうに感じたり
思ってもみなかったことが沢山ありました。

★ 初任者養成の研修で、実習したことがありますが、
実際ガイドヘルパーを経験したあとの実習は、
仕事をする上で、大切な事だと思いました。

★ ぼんやりでもみえていると完全に目をつぶっている時より
怖さが薄らぎます。中途失明の方は、とても恐くて不便でしょう。

(3)その他

★ レジュメがあると短い時間の中の使い方が効率的になると思います。
ホワイトボードを使うとか、タイムスケジュールを書いていただけるとよいかと思います。

★ 現場に非常に役にたつ研修で、是非また研修をお願いしたいと思います。

★ 盲導犬より、ガイドヘルパーの肩が効率良いのではないでしょうか。言葉も通じますし。

チョッといい話~試験にパスしたヘルパーBさん

68才で東京都たんの吸引等認定試験にパスしたBさん

「私が訪問している利用者さんは、吸引が必要な方です。
私はこれまで、そのような利用者さんのケアに
あたったことがありませんでしたが、
先輩ヘルパーのご指導をいただき、
ご家族、利用者さんの暖かい応援があって、
なんとかパスすることができました。
これからは、自信をもって、吸引を行い、
もっともっと利用者さんのお役にたちたいと思っています」


先輩ヘルパーより

B子さんは、年齢的にも経験的にも
とても無理なのではないかと思っていました。
ところが、B子さんは、事務所の練習用の模型台を利用して、
何日も演習され、試験前日には、利用者さん宅を
そのために訪問されて、ご協力をお願いしたり、
並々ならぬ努力を重ねました。

試験終了後、Bさん
「今日は、亡き夫の父親の命日なの、
きっと二人とも私に力をかしてくれたのよ」と、
Bさんの必死の思いは、これからのケアに生かされるに違いない。