2015年5月15日金曜日

3月19日 わの会全体スタッフ交流会にて

医療的ケアをともなう訪問介護についてあいあいの取り組みを報告します

~サービス提供責任者 松本真澄~


◆ 医療的ケアの現状 ◇

 医療的ケアを必要としている障害者とは、自力で呼吸をすることが出来ず気管切開をし、人工呼吸器を装着している方、また、経口での食事摂取が出来ず胃婁を造設している方や、マーゲンチューブを使用している方などです。このような方は、最も障害が重く、病院での療養しかのぞめませんでした。
 しかし、重度の障害を持っていても、在宅で暮らしたいと願う障害者は多く、そのためには痰の吸引などがいつでも可能な環境が必要でしたが、当時、吸引をヘルパーが行うことは認められず、家族への介護負担はとても大きいものでした。

 その後、2012年に介護職による喀痰吸引等の実施が制度化され、現在にいたっています。
吸引できるヘルパーが訪問中に、ご家族の方は買い物に行かれたり、趣味の時間を設けられたり、子供の授業参観に行けたり、働きに出ることができたりと、家族の方も介護に縛られることなく社会参加を続けていくことができてきています。また、働くヘルパーにとっても、見守りやコミュニケーションも含む、充実した介護を行う事ができます。

◆ 医療ケアの大切さを再認識する◇

 私たちは、医療的ケアについて課題や問題を抱えながらも、在宅だからこそ叶えられる生活の喜びに出会うことができます。
 娘の結婚式に参加される父親の介護だったり、親しい方々の葬儀への列席だったり、親類縁者との付き合いなどこのような日常に携われることは、ヘルパーとしての喜びにもつながります。利用者様の人生に寄り添い、時には共に歩み、利用者と一緒になって生きることを学んでいます。

 最も重度な障害者へのケアというのは、ときに必死になって生きる姿に触れることがあります。呼吸器が外れていたら死んでしまう、吸引が出来なかったら窒息してしまう。命の繊細さを感じるたびに、私たちの行っているケアの大切さを実感します。生命を守り支えるケアに、多職種のかたがたとの連携を大切に、利用者の命を守っていくという自覚を持ちながら、私たちはこれからも医療的ケアをともなう重度障害者の訪問介護に携わっていきます。

2015年3月30日月曜日

チョッといい話~筋ジストロフィー症のS君

生後三か月に先天性筋ジストロフィーと診断され、
今では寝たきり、呼吸器を装着している二十七歳のS君は、
とても前向きで、元気な方です。

先日、S君は幼馴染みのAちゃん(女の子)の結婚式に、
両親と共に招待されました。
「僕が、二人のキューピットだ!」と自負するS君、
心から喜んでいました。

結婚式会場はディズニーランド、小さい頃からS君も大好き。
そこでお母さんが「髪をミッキーのマークに刈り込んだら」と提案、
訪問入浴の方が協力し、写真のような髪型で結婚式へ参加したそうです。

なんとも、お茶目で微笑ましいご家族です。



あいあい研修 キネステ理論に基づいた介護、移動、移乗の支援



 去る2月19日(木)片町文化センターにて、
『キネステ理論に基づいた介護、移動、移乗の支援』の研修が行われ、
約25名が参加しました。 

講師は、訪問看護ほっとステーションの殿岡登代さん、
重度訪問介護従事者養成研修でもお世話になっており、
和気あいあいとした雰囲気の中で研修が始まりました。

キネステとは、ドイツで開発され1999年に日本に紹介された
「人の動きの学問」だそうです。
自分で動けなくなっても、生まれながらにして
備わっている「身体を動かす感覚」は忘れていず、
「動きの感覚」を最大限生かしつつ、自力で動かすために
不足している部分を支援するという介護技術の説明を簡単にうけた後、
介護者と障がい者という設定でペアになり、実習をしました。

講師に指導されながら、介護者が、障がい者を
仰臥位(ぎょうがい・仰向けに寝ている状態)から両足立ちに…
筋肉と骨つぎをうまく使い、力を使わずにすっと立ち上がったことに、
みんな驚いていました。

あっという間に時間が過ぎ、終わったあとも参加者の熱心な質問がしばらく続きました。

【参加者の感想】

☆知識も経験もないので難しかったが、講師の話や実技は参考になった。

☆人間の自然な動作を基にできた方法に、とても共感しました。1回の講義では理解出来ず、再度講座をお願いしたいと思いました。

☆今までに2~3回習ったが、日常的に使うことがなかった。今回参加して、日常的にこの技術を使っていきたいと思いました。

☆以前、キネステの講義を受けしばらく使っていたが、いつの間にか忘れていました。再度講義を聞いて介護に生かしたいと思ったが、もっと応用できるように深く学んでいかないと以前のように生かしきれないと感じました。

☆今回は人数が多かった。今度は少人数で、ベット上や、症例別など、利用者さんや実際の状況に合わせた細かいまでしてほしい。指導者を何人か育成して、全ヘルパーに指導してほしいとも思いました。

☆研修を受けた夜に、夫に横になってもらい実践してみました。簡単に立ったので、「お~」と驚いていました。

☆道端で立てない人を見かけ、ヨシッと決心して、キネステで立たせたヘルパーがいました。役に立ちます。

2015年3月4日水曜日

あいあい研修 ガイド、同行援護スキルアップ研修

あいあい研修 ガイド、同行援護スキルアップ研修の報告


 去る1月26日(月)、あいあい研修 『ガイド、同行援護スキルアップ研修』が
住吉文化センターにて開かれ、ガイドヘルパー体験者、
仕事をしようとしている方など、約20名が参加しました。

講師は、あいあいのガイドヘルパーであり、
社会福祉協議会の講座等でも講師をされていた久万ひろみさん。

基本的なガイドヘルパーとしての心得から、
ビニール紐で目を隠しての視覚障がい者の模擬体験、
ペアでガイドヘルパーの演習、質疑応答がなされました。
ガイドヘルパー体験のあるヘルパーさんたちからは、
活発な質問がなされ、有意義な時間となったようで、
次回の研修をのぞむ声も多くありました。

以下は、参加者の感想です

(1)印象的な話は?
★ 久万さんでも、心が折れそうになったことがあり、
努力されてそれを乗り越えてつづけられているとおっしゃったことです。
どんな仕事でも悩みがあり、皆に助けられて続けていけるのだと思います。
悩みを吐き出す場があり、それを支える人達がいるあいあいは、
とても良い場なので、体力と相談しながら続けたいと思います。

★ 久万さんの失敗談やガイドヘルプにおける心構え、
実際にイスへ誘導していただいたことが印象に残っています。
特に「まったく目が見えない人を前提に、様々なことを構成し考えている」(大意)という
考えをお聞きできたことが、研修最大の収穫だと思っています。

★ 体験談の中での失敗例、ヒヤリハットを共有することが大事なことだと思いました。

★ 実際の事例を挙げて下さり、何年もかけて、
培った技術の最も大切なポイントを教えて下さり、とても説得力がありました。
利用者さんとお話をする際に、目線、目の高さに合わせる
又は、姿勢を下げてお話しをすることに努めていました。
ガイドヘルパー、ガイドをしている際は、
進行方向に真直ぐ目を向け、
利用者さんの方を見ないという点はやりがちな行為でしたので、
お話を聞き、大変勉強になりました。

★ 説明を聞くと、視覚障碍者の立場にたてば
どれも納得することなのですが、なかなか現場ではやれていないことが
あまりに多いということがわかりました。
例えば、ひっぱらない、空間に放置しない。
足が利用者さんと同じ方向に向くようにまっすぐ歩くことなど。

★ 歩き方のテクニックの話は、もっと伺いたいと思いました。


(2)演習したの感想

★ 安心して外出するためにガイドヘルパーを利用されている方が、
ヘルパーの動作や言動次第で
不安を感じてしまうことはあってはならないと思いました。
利用者役を行うことで不安を感じやすいポイントを把握し、
ヘルパー役を行うという演習を経験できて良かったです。

★ 障害物への回避の仕方、狭い所の誘導の仕方。
言葉、会話で伝えるより、体の動きで伝えるを学習しました。

★ 皆さんの体験談や講師の方のお話を直接聞くことが出来、
すぐに質問、実践することができたことが良かったです。

★ ビニールテープで目を隠してみて、
「影がなんとなく見える」と利用者さんが言われていたことが、
イメージできたように思いました。
光を感じることができても、急に明るくなったり、暗くなったり
そこに恐怖を覚え、人の声が近くにあるとぶつかりそうに感じたり
思ってもみなかったことが沢山ありました。

★ 初任者養成の研修で、実習したことがありますが、
実際ガイドヘルパーを経験したあとの実習は、
仕事をする上で、大切な事だと思いました。

★ ぼんやりでもみえていると完全に目をつぶっている時より
怖さが薄らぎます。中途失明の方は、とても恐くて不便でしょう。

(3)その他

★ レジュメがあると短い時間の中の使い方が効率的になると思います。
ホワイトボードを使うとか、タイムスケジュールを書いていただけるとよいかと思います。

★ 現場に非常に役にたつ研修で、是非また研修をお願いしたいと思います。

★ 盲導犬より、ガイドヘルパーの肩が効率良いのではないでしょうか。言葉も通じますし。

チョッといい話~試験にパスしたヘルパーBさん

68才で東京都たんの吸引等認定試験にパスしたBさん

「私が訪問している利用者さんは、吸引が必要な方です。
私はこれまで、そのような利用者さんのケアに
あたったことがありませんでしたが、
先輩ヘルパーのご指導をいただき、
ご家族、利用者さんの暖かい応援があって、
なんとかパスすることができました。
これからは、自信をもって、吸引を行い、
もっともっと利用者さんのお役にたちたいと思っています」


先輩ヘルパーより

B子さんは、年齢的にも経験的にも
とても無理なのではないかと思っていました。
ところが、B子さんは、事務所の練習用の模型台を利用して、
何日も演習され、試験前日には、利用者さん宅を
そのために訪問されて、ご協力をお願いしたり、
並々ならぬ努力を重ねました。

試験終了後、Bさん
「今日は、亡き夫の父親の命日なの、
きっと二人とも私に力をかしてくれたのよ」と、
Bさんの必死の思いは、これからのケアに生かされるに違いない。

2015年1月30日金曜日

チョッといい話~あいあい通信111号より

昨年の忘年会で耳にした話しです。
「私ねッ、子ども達が、
私の老後のことを心配してくれる時は、
いつも言ってやるの
『私の老後は、あいあいに頼むから、
心配しなくていいよって』」
~ヘルパー11年目Aさん~



 学生アルバイトのB子さんは、
福島県のいわき市生れで、
今年成人式を迎えました。
「4年前の3月11日は、高校一年生の時でした。
とても恐い思いをしました。学友も亡くなりました。
私は、今年成人式を迎えることができて、
幸せだなと思います」



 私がヘルパーになったのは、
夫が難病になり、家にヘルパーが来てくれるようになって、
ヘルパーの存在を知ったからです。
夫は亡くなりましたが、
私は、今もヘルパーを続けていられてよかったと思い、
夫に感謝しています。

2015年1月7日水曜日

わの会通信よりVer.28~

あいあい研修

あいあいの利用者さんは、12月1日現在で38人おられます。
4月には、35人でした。少し増えました。

利用者さんのサービス内訳は、介護保険のみの方が4人、
障害制度を利用されている方が34人、

さらに障害の内訳は、難病ALS患者7人と視覚障害者15人で
全体の57.8%を占めています。

 当事業所も、ヘルパーの人手不足が続き、仕事量を増やせない状況です。
勤続年数が他事業所に較べ、比較的長い方が多く
、又、医療行為が可能な研修を終えている人、
ならびに、ガイドヘルパーの有資格者が多いことも特徴的です。

従って、新利用者さんがあいあいを利用する際の理由は、ガイドヘルパーを希望して、
又、吸引のでき る事業所を希望してという方が多く、
あいあいは、難病や、視覚障害という重い障害を抱える方々の受け皿になろうと努力しています。


あいあいの利用者さんに、さらに行き届いた安楽な介護を提供できるように、
今年は、次のような取り組みを進めてきました。

(1) 利用者さんをよりよく理解し、行き届いた介護を提供するために、
利用者さんごとのヘルパー会議を、9、10、11月の3か月で8人実施することができました。

主な内容は、「利用者さんからの指示が「きつい」と思う時は、
利用者さんの体調が悪い時が多いのではないか。
看護師や御家族に相談してみることも大切」、
「ADLのアセスメントを、みんなで行うことで、利用者さんの現状を改めて確認できた」、
「私はできなかったが、他のヘルパーができていることがわかった。
私もやってみようと思えた」などでした。

(2) 利用者さんからの苦情や事故など、可能な限り減らすための取り組みを強化しています。

(3) 台風・積雪・地震時などの、災害時の個別マニュアルを開始しました。この冬は、雪の心配があり、間に合わせようと作成にあたっています。

(4) あいあいは、利用者さんへのサービスが滞りなく行われるように、利用者さん、御家族、ヘルパー みなさんの意見や要望を大切に受けとめ、運営にあたっています。ひとつの方法として、今年度もアンケートを実施しました。

~管理者 高橋直子