2015年10月29日木曜日

~介護障害者制度のもとで~利用者さん困っています

あいあい通信119号より

この4月、介護、障害者制度の見直しが行われました。
この頃になって、利用者さんにとって、必要なプランが保たれないのか、
「こまる」「こまっています」との声を聞くようになりました。
私達が訪問している利用者さんのご様子を紹介します。

★一人暮らしがしたいのですが…

一人暮らしを望んでおられるA子さんは、ヘルパー訪問時間が
200時間しか市より支給されないとのこと。
A子さんは視覚障害と他にも障害を抱えておられます。
福祉作業所の通所時間以外に16時間のヘルパーが必要です。
このままでは、1日6時間しかヘルパー対応できず、他は自費になります。
御家族も負担できる費用ではないことから、
一人暮らしは実現できずにいます。

☆要介護から要支援になったために…

B利用者さんが認定更新は、審査結果「要介護」が「要支援」に
変更になりましたが、ご本人が必要としている家事援助に変わりなく
自費での依頼になってしまいました。自費ではいつまでも続かないとのこと。
ケアマネさんも心配しておられますが、具体的な対応はなにもない状態です。

★障害から介護保険に移行したために…

これまで障害制度を使って、ヘルパーと通院されていたCさんは65才になり、
介護保険に移行されました。
介護保険では病院内に付き添いが認められていないため
一人で通院しなければならなくなりました。
Cさんは医師の話されることをしっかり覚えていることが難しく又、
御自分の体調なども十分伝えることができません。
市へそのことを伝えて、認めてもられるよう、お願いしてみましたが、
今のところ不可です。
これからの体調管理が心配です。

☆障害者制度では、年齢制限があり…

市の障害者制度には、子どもの場合年齢制限があることを、
利用者Dさんの場合で知りました。
「ベッドの支給は6歳から」「おむつの支給は3歳から」等、
ベッドについては寝たきりのお子さんの介護のために
親が中腰になり辛いとのこと。
必要な時に助けてもらえる制度になって欲しいですね。

★介護利用料金の変更に伴い

この8月より、介護利用料金が1割から2割になられた方が、
あいあいでは3人おられます。
Eさんもその一人ですが、自己負担が倍になるということで、
介護度が3から4になり利用時間が延長できると
ケアマネにアドバイスがあったそうですが、現状のままでいいと断ったとのこと。

2015年9月29日火曜日

災害時に対応してチェックしましょう

災害対策の目安となるように作成されたものです。
患者さんの状況に合わせて確認しておきましょう!

◆目の不自由な方
□防災袋の置き場所の確認
□手袋(手探り用)
□白杖(折り畳み式)・点字器
□ラジオを身近におく(予備の電池も)
□携帯電話を活用

◆車いす利用の方
□車椅子でも使用できるカッパ
□パンク修理セット
(ガラス破片でパンクのおそれあり)
□電動車いすの場合は使用後必ず充電

◆寝たきりの方
□紙おむつ・しびんなど
□ビニールシート(おむつ交換時に必要)
□タオルなど介護用品
□おんぶ紐など幅広い紐

◆耳の不自由な方
□補聴器用の電池
□筆談の為のメモ用紙、筆記用具
□笛・ブザー
□携帯用照明
(停電時でも手話で会話が可能なように)
□枕元に補聴器をおきましょう
(就寝時災害の為)
□携帯電話のメール機能、
災害用伝言板の利用の確認
□「緊急カード」の作成
例:「私は耳が不自由です。情報を教えてください」
「避難所へ連れて行ってください」など

◆経管栄養を使用中の方
□経管チューブ
(サイズ  Fr. 週に1回交換)
□経管栄養食(約2週間分)
□注射器の予備(水便や薬を注入する為)
□アルコール綿・ガーゼ

◆気管切開している方
□気管カニューレの予備
製品名
サイズ  Fr   週に一回交換
カフエア   ml
□吸入器(充電式・足踏み式・手動式)
□吸引用チューブ
(吸引回数/日×約14日分)
□アルコール綿
□蒸留水
□滅菌手袋
□人口鼻
□注射器(50ml)
喀痰吸引やカフ調節に使用

◆在宅酸素使用中の方
□吸入量    L/分
□吸入時間   時間/日
□酸素ボンベの残量・消費時間の確認
□酸素ボンベ(予備)
□酸素ボンベキャリー
□医療機器会社の連絡先
□酸素濃度器の電流(アンペア)の確認
□自家発電機・発電機の燃料の準備

◆電動ベッド、エアマットを使用中の方
□停電時の患者さんの安楽な位置を確認した。
□停電時にエアマットから空気が抜けないようにする方法を確認した。

2015年9月2日水曜日

ヘルパー・利用者さんの声②~あいあい通信117号より

あいあいのヘルパーと一緒にいろんなところに出かけられてありがたいです

~視覚障害者Nさん(70代・府中市在住)~

 私は市役所の紹介であいあいのヘルパーをお願いするようになり、ちょうど2年になります。
この間いろんなところに出かけることができました。

 私は黒い斑点が見えるようになり、55才のころから、通院していました。日常生活はなんとかなっていました。仕事も60才まで続けました。
 65才の時、網膜色素変性症と告知されました。私はその時医者に、「先生、これから恐いですね。」と言ってしまったのを覚えています。

 だんだんにお金の種別が分かりにくくなり、書類の手続きなどにも困り、特に段差が恐くて、スロースローで歩くようになりました。

 母を看取りましたが、私は母の爪も切ってあげれなかった。私がもっと介護ができれば母は長生きできたのではないかと思い今でも悲しいです。
テレビも『篤姫』までは見えたのですが、その後は大河ドラマも見ることができません。

 あいあいさんに初めて依頼したのは、パソコン教室に同行していただいた時です。
 その後、マイニュースは聞く事ができるようになりました。次は主治医のホームページを開いてみたいのですが、これからです。

 お墓参りでは水をあげることはできるのですがお線香に火をつけることができないのでヘルパーにやってもらいます。妙高院のお寺さんからヘルパーと一緒にこんぴらさん(敷地内)に案内してもらい、手を合わせてきました。

 私は、自分が長生きをすればそのうち医学が進歩して目が治ると信じています。IPS細胞のこともあるし。これから行きたいところは、所沢にある国立障害リハビリセンターです。
 目に関する知識をもっと持てるようになりたいと思います。また、明治座で三田美子の舞台を見たいです。

【ヘルパーとともに外出】
三鷹天文台
香山リカ講演会(八王子市)
全国盲人女性大会(芝公園)
高田めがね店(吉祥寺)


ヘルパー・利用者さんの声①~あいあい通信117号より

ヘルパー10年を振り返って  

~Iさん(40代・府中市在住)~

 「人のお世話をするなんて、絶対無理!」と思っていた私がヘルパーとして、もう10年。
親の介護のためにもなるのだからと勧められ資格をとり、資格をとったのだから働くようにと言われて・・・まず有償ボランティアの会で働きました。

 あいあいで働いていた友人に勧められ登録し、週1,2回2Hくらいの介護から始めました。
吸引を必要とする介護の時、「無理かな?」と思いましたが、サービス提供責任者に
「大丈夫ですよ。利用者さんもお願いしたいと言っていますから」と後押しされ、
そこがクリアできてから、仕事が増えて来ました。

 これまでに9人の利用者さんのケアにあたってきました。
知的、視覚、難病、脊髄損傷、先天性の重度障害の方が多かったです。
利用者Sさんの時、利用者さんの求めている身体の位置や、移乗がうまくできず、
訪問がイヤでイヤでたまらない時がしばらくありました。

 幸い、看護師さんにしっかり指導して頂いたり、なんでも話し合えるヘルパー仲間に恵まれ助かりました。
又、私は負けず嫌いなところがあるのです。相手がやめてくれと言ったらやめるのですが、自分からは決っしてやめないタイプなのです。スポーツでもなんでもそうです。
人にはあまり見せないで、自分の中で悶々として戦うのです。

 Sさんに不安を抱えながら、訪問していましたが、いよいよ一人でやらざるを得ない時が来て、「自分でやるしかない」と腹をくくったのです。
だんだんSさんが求めるお尻や背中の位置が「ああ。フィットしているな」と分かるようになり、
利用者さんのOK=にっこりが、早く出るようになりました。
 
 10年経ってみて、改めてホームヘルパーはやりがいのある仕事だと思っています。
利用者さんによって、みんなケア内容が違い、どのようなケアが求められているか考えながら、
やることにやりがいを感じています。
 ヘルパーを始めた頃、一番下の娘が小学校2年でしたが、今はもう19歳です。もう数年は、このまま仕事を続けたいと思っています。

2015年7月31日金曜日

あいあい研修 ~苦情・事故・相談・ヒヤリハット


 7月21日の研修では平成26年度のみなさま(利用者・ヘルパー)からの苦情・事故・相談・ヒヤリハットなどをまとめ総括をしてみました。

1.全体の件数 96件

(事例 /  件数)
遅刻 / 15件
利用者の健康不安・介護度の進行 / 9件
シフト忘れ / 9件
ヘルパーの体調不良・不安 /  9件
シフトの不徹底(事務所) / 9件
事務所への意見・要望 /  8件
介護の仕方への不満 /  8件
物損事故 /  7件
介護の仕方の不満(物の置き場所) /  6件
情報(危険個所の報告) /  6件
困難事例 /  4件
その他 / 6件


2.具体的な内容

●視覚障害利用者:「通院ガイド時、駅の階段を降りる際に引っ張られるような感じで怖かった。速度確認をされていない。
また病院内移動時、前から来た人に肩ぶつかってしまったが、止まることなく謝ることなく進んでしまった。」

○利用者:「電動ソファーのアダプターを抜いて、金曜日のヘルパーは掃除をしている。抜かないで掃除をして欲しい。1度伝えて欲しいと頼んだが、伝わっていないよう、再度ヘルパーへ伝えて欲しい。毎回抜けているため困る。」

●ヘルパー:「いつも通りにケアを行っていたにもかかわらず、全て違うと言われました。その際、自分を中傷されるような発言もありました。今後どのようにしたらよいのかわかりません。」

○利用者:「砂糖がなくなったため新しい物を容器に移してもらうよう頼んだが、塩が入っていた。」

●視覚障害利用者:「駅で待ち合わせになっていますがヘルパーさんがみえません。確認をして下さい。」

○利用者:「台風や災害時の時のヘルパーさんの訪問が心配。誰に連絡をしてよいのかわからない。」



3 今後の対応

◇現金にはさわらない。店員・行員に立ち会ってもらう。

◆ガイドヘルパーは1つ1つの動作・行動・移動など、利用者さんの確認を得て進める。

◇うっかりを失くそう。

◆近隣トラブル・危険箇所・体調の変化・認知症状などは細かく事務所に報告する。

◇ヘルパー自身の健康管理につとめてほしい。

◆ヘルパーが風邪気味・または家族に感染症患者がいる場合、状況を利用者さんに伝え、利用者さんの判断のもと訪問を決める。

◇事故・ヒヤリハットは、必ず事務所へ報告する。(報告が少ない事は私達の学びが少ない事。)

◆損害賠償保険を優先的に使う。

4 参加者の声

★視覚障害は、音や風の動き・光などによって、人が近づいてきたことなどを判断されることがあるが、年齢とともに感覚も衰えてくるので、私は細心の注意を払うようにしています。

☆ガイド中は、状況説明のため、話し続けるようにしています。

★買い物など、予定時間内に終わりそうにないときは、事前に伝え了承をいただく。

☆困難事例にあたる利用者さんの場合、なかなかヘルパー体制を構築できない。1人のヘルパーに仕事が集中し結果としてヘルパーの過労から訪問中止に至ってしまう。担当者会議や相談しながら、利用者さんの要望に沿った訪問を続けたい。


チョッといい話~介護福祉士受験の心得

平成26年度介護福祉士資格取得試験に合格された方は2人おられます。

Aさん(59才・男性)に、受験の心得を語っていただきました。

私は、勉強するスタートが遅かったので、まず実技免除の講習を受けました。
有料ですが、これまで経験したことのない実技を学べ、ケアプランを作成したり、一方で自分のくせを指摘されたりと(試験に落ちる類の物)充分講習料の元はとれたと思います。

学科は、まずぶっつけで昨年、一昨年の問題を説き、自分の得意、不得意な分野を分析しました。
そして、不得意な分野を重点的に過去問をやり、解説を読みました。

また当日見直すのは、段ずれをしていないかです。
一つずれると、全部不正解になってしまいますから・・・

では、皆さん頑張ってください。

2015年6月29日月曜日

チョッといい話~同行支援・・1時間の散歩で

Kさん(現在70代・男性)は、40代の時視覚障害になり、
徐々に視力を失っていきました。

行動的なKさん、完全に視力を失ってからも
近所は一人で歩いていたのですが、
いよいよ一人では危いと家族から言われ、
昨年から多摩川遊歩道の散歩にあいあいを利用されるようになりました。

おしゃべりが好きなKさんと歩いていると、
しばしば小学生が「こんにちは!」など、いろいろな人が挨拶してきます。
その都度、「誰?」と「また声を掛けてね~」と言って別れます。

人との出会いの話も沢山話してくださり
「子ども達が成長するのが楽しみ」と…話題が豊富です。そんなKさんが「何かあった時に、助けてもらえるようにしないとね」とポツリ…
自分の立場を案じて備えているその姿勢にとても心を打たれました。

2015年5月29日金曜日

チョッといい話~三鷹の天文台へ同行支援

視覚障害者の交流会で三鷹の天文台へ、Oさんの同行支援。
このような交流会のガイドは初めて、
しかも、Oさんは昨年末の腰痛で体力に不安を抱えているとのことで
うまくガイドができるかドキドキでした。

天文台は、広い敷地内に古い建造物が点在しており、
ガイドさん(天文台の職員数名)の案内で見学。

案内の最初に、点字と大きな字(弱視の方のため)のA4サイズの大きな説明本を希望者に贈呈、ユニバーサルデザインを意識し、設備を改善したいので、
毎回、最後に皆さんの意見を聞きしていますと…
まだまだ障害者に不便なところは多々あり、急な階段が沢山…

Oさんは「階段は恐くて、苦手」と言いつつも果敢に建物に入り、望遠鏡などをさわったり、庭では、太陽系の縮小模型があり、惑星に触ったり、惑星感を歩いたりして、その大きさと距離感を体感していました。
その後、昼食で大好きなラーメンを食され、最後まで参加できて、非常に喜ばれていました。

今回、三鷹と府中の約40名参加の内、あいあいの利用者さんは4名(一人はご家族が同行)でした。先輩ヘルパーさんがいたことで、安心してガイドをすることができいい経験になりました。

(Bヘルパーより)

自然科学研究機構 国立天文台三鷹キャンパス
http://www.nao.ac.jp/access/mitaka/

2015年5月15日金曜日

3月19日 わの会全体スタッフ交流会にて

医療的ケアをともなう訪問介護についてあいあいの取り組みを報告します

~サービス提供責任者 松本真澄~


医療的ケアの現状 ◇

 医療的ケアを必要としている障害者とは、自力で呼吸をすることが出来ず気管切開をし、人工呼吸器を装着している方、また、経口での食事摂取が出来ず胃婁を造設している方や、マーゲンチューブを使用している方などです。このような方は、最も障害が重く、病院での療養しかのぞめませんでした。
 しかし、重度の障害を持っていても、在宅で暮らしたいと願う障害者は多く、そのためには痰の吸引などがいつでも可能な環境が必要でしたが、当時、吸引をヘルパーが行うことは認められず、家族への介護負担はとても大きいものでした。

 その後、2012年に介護職による喀痰吸引等の実施が制度化され、現在にいたっています。
吸引できるヘルパーが訪問中に、ご家族の方は買い物に行かれたり、趣味の時間を設けられたり、子供の授業参観に行けたり、働きに出ることができたりと、家族の方も介護に縛られることなく社会参加を続けていくことができてきています。また、働くヘルパーにとっても、見守りやコミュニケーションも含む、充実した介護を行う事ができます。

医療ケアの大切さを再認識する◇

 私たちは、医療的ケアについて課題や問題を抱えながらも、在宅だからこそ叶えられる生活の喜びに出会うことができます。
 娘の結婚式に参加される父親の介護だったり、親しい方々の葬儀への列席だったり、親類縁者との付き合いなどこのような日常に携われることは、ヘルパーとしての喜びにもつながります。利用者様の人生に寄り添い、時には共に歩み、利用者と一緒になって生きることを学んでいます。

 最も重度な障害者へのケアというのは、ときに必死になって生きる姿に触れることがあります。呼吸器が外れていたら死んでしまう、吸引が出来なかったら窒息してしまう。命の繊細さを感じるたびに、私たちの行っているケアの大切さを実感します。生命を守り支えるケアに、多職種のかたがたとの連携を大切に、利用者の命を守っていくという自覚を持ちながら、私たちはこれからも医療的ケアをともなう重度障害者の訪問介護に携わっていきます。

2015年3月30日月曜日

チョッといい話~筋ジストロフィー症のS君

生後三か月に先天性筋ジストロフィーと診断され、
今では寝たきり、呼吸器を装着している二十七歳のS君は、
とても前向きで、元気な方です。

先日、S君は幼馴染みのAちゃん(女の子)の結婚式に、
両親と共に招待されました。
「僕が、二人のキューピットだ!」と自負するS君、
心から喜んでいました。

結婚式会場はディズニーランド、小さい頃からS君も大好き。
そこでお母さんが「髪をミッキーのマークに刈り込んだら」と提案、
訪問入浴の方が協力し、写真のような髪型で結婚式へ参加したそうです。

なんとも、お茶目で微笑ましいご家族です。



あいあい研修 キネステ理論に基づいた介護、移動、移乗の支援



 去る2月19日(木)片町文化センターにて、
『キネステ理論に基づいた介護、移動、移乗の支援』の研修が行われ、
約25名が参加しました。 

講師は、訪問看護ほっとステーションの殿岡登代さん、
重度訪問介護従事者養成研修でもお世話になっており、
和気あいあいとした雰囲気の中で研修が始まりました。

キネステとは、ドイツで開発され1999年に日本に紹介された
「人の動きの学問」だそうです。
自分で動けなくなっても、生まれながらにして
備わっている「身体を動かす感覚」は忘れていず、
「動きの感覚」を最大限生かしつつ、自力で動かすために
不足している部分を支援するという介護技術の説明を簡単にうけた後、
介護者と障がい者という設定でペアになり、実習をしました。

講師に指導されながら、介護者が、障がい者を
仰臥位(ぎょうがい・仰向けに寝ている状態)から両足立ちに…
筋肉と骨つぎをうまく使い、力を使わずにすっと立ち上がったことに、
みんな驚いていました。

あっという間に時間が過ぎ、終わったあとも参加者の熱心な質問がしばらく続きました。

【参加者の感想】

☆知識も経験もないので難しかったが、講師の話や実技は参考になった。

☆人間の自然な動作を基にできた方法に、とても共感しました。1回の講義では理解出来ず、再度講座をお願いしたいと思いました。

☆今までに2~3回習ったが、日常的に使うことがなかった。今回参加して、日常的にこの技術を使っていきたいと思いました。

☆以前、キネステの講義を受けしばらく使っていたが、いつの間にか忘れていました。再度講義を聞いて介護に生かしたいと思ったが、もっと応用できるように深く学んでいかないと以前のように生かしきれないと感じました。

☆今回は人数が多かった。今度は少人数で、ベット上や、症例別など、利用者さんや実際の状況に合わせた細かいまでしてほしい。指導者を何人か育成して、全ヘルパーに指導してほしいとも思いました。

☆研修を受けた夜に、夫に横になってもらい実践してみました。簡単に立ったので、「お~」と驚いていました。

☆道端で立てない人を見かけ、ヨシッと決心して、キネステで立たせたヘルパーがいました。役に立ちます。

2015年3月4日水曜日

あいあい研修 ガイド、同行援護スキルアップ研修

あいあい研修 ガイド、同行援護スキルアップ研修の報告


 去る1月26日(月)、あいあい研修 『ガイド、同行援護スキルアップ研修』が
住吉文化センターにて開かれ、ガイドヘルパー体験者、
仕事をしようとしている方など、約20名が参加しました。

講師は、あいあいのガイドヘルパーであり、
社会福祉協議会の講座等でも講師をされていた久万ひろみさん。

基本的なガイドヘルパーとしての心得から、
ビニール紐で目を隠しての視覚障がい者の模擬体験、
ペアでガイドヘルパーの演習、質疑応答がなされました。
ガイドヘルパー体験のあるヘルパーさんたちからは、
活発な質問がなされ、有意義な時間となったようで、
次回の研修をのぞむ声も多くありました。

以下は、参加者の感想です

(1)印象的な話は?
★ 久万さんでも、心が折れそうになったことがあり、
努力されてそれを乗り越えてつづけられているとおっしゃったことです。
どんな仕事でも悩みがあり、皆に助けられて続けていけるのだと思います。
悩みを吐き出す場があり、それを支える人達がいるあいあいは、
とても良い場なので、体力と相談しながら続けたいと思います。

★ 久万さんの失敗談やガイドヘルプにおける心構え、
実際にイスへ誘導していただいたことが印象に残っています。
特に「まったく目が見えない人を前提に、様々なことを構成し考えている」(大意)という
考えをお聞きできたことが、研修最大の収穫だと思っています。

★ 体験談の中での失敗例、ヒヤリハットを共有することが大事なことだと思いました。

★ 実際の事例を挙げて下さり、何年もかけて、
培った技術の最も大切なポイントを教えて下さり、とても説得力がありました。
利用者さんとお話をする際に、目線、目の高さに合わせる
又は、姿勢を下げてお話しをすることに努めていました。
ガイドヘルパー、ガイドをしている際は、
進行方向に真直ぐ目を向け、
利用者さんの方を見ないという点はやりがちな行為でしたので、
お話を聞き、大変勉強になりました。

★ 説明を聞くと、視覚障碍者の立場にたてば
どれも納得することなのですが、なかなか現場ではやれていないことが
あまりに多いということがわかりました。
例えば、ひっぱらない、空間に放置しない。
足が利用者さんと同じ方向に向くようにまっすぐ歩くことなど。

★ 歩き方のテクニックの話は、もっと伺いたいと思いました。


(2)演習したの感想

★ 安心して外出するためにガイドヘルパーを利用されている方が、
ヘルパーの動作や言動次第で
不安を感じてしまうことはあってはならないと思いました。
利用者役を行うことで不安を感じやすいポイントを把握し、
ヘルパー役を行うという演習を経験できて良かったです。

★ 障害物への回避の仕方、狭い所の誘導の仕方。
言葉、会話で伝えるより、体の動きで伝えるを学習しました。

★ 皆さんの体験談や講師の方のお話を直接聞くことが出来、
すぐに質問、実践することができたことが良かったです。

★ ビニールテープで目を隠してみて、
「影がなんとなく見える」と利用者さんが言われていたことが、
イメージできたように思いました。
光を感じることができても、急に明るくなったり、暗くなったり
そこに恐怖を覚え、人の声が近くにあるとぶつかりそうに感じたり
思ってもみなかったことが沢山ありました。

★ 初任者養成の研修で、実習したことがありますが、
実際ガイドヘルパーを経験したあとの実習は、
仕事をする上で、大切な事だと思いました。

★ ぼんやりでもみえていると完全に目をつぶっている時より
怖さが薄らぎます。中途失明の方は、とても恐くて不便でしょう。

(3)その他

★ レジュメがあると短い時間の中の使い方が効率的になると思います。
ホワイトボードを使うとか、タイムスケジュールを書いていただけるとよいかと思います。

★ 現場に非常に役にたつ研修で、是非また研修をお願いしたいと思います。

★ 盲導犬より、ガイドヘルパーの肩が効率良いのではないでしょうか。言葉も通じますし。

チョッといい話~試験にパスしたヘルパーBさん

68才で東京都たんの吸引等認定試験にパスしたBさん

「私が訪問している利用者さんは、吸引が必要な方です。
私はこれまで、そのような利用者さんのケアに
あたったことがありませんでしたが、
先輩ヘルパーのご指導をいただき、
ご家族、利用者さんの暖かい応援があって、
なんとかパスすることができました。
これからは、自信をもって、吸引を行い、
もっともっと利用者さんのお役にたちたいと思っています」


先輩ヘルパーより

B子さんは、年齢的にも経験的にも
とても無理なのではないかと思っていました。
ところが、B子さんは、事務所の練習用の模型台を利用して、
何日も演習され、試験前日には、利用者さん宅を
そのために訪問されて、ご協力をお願いしたり、
並々ならぬ努力を重ねました。

試験終了後、Bさん
「今日は、亡き夫の父親の命日なの、
きっと二人とも私に力をかしてくれたのよ」と、
Bさんの必死の思いは、これからのケアに生かされるに違いない。

2015年1月30日金曜日

チョッといい話~あいあい通信111号より

昨年の忘年会で耳にした話しです。
「私ねッ、子ども達が、
私の老後のことを心配してくれる時は、
いつも言ってやるの
『私の老後は、あいあいに頼むから、
心配しなくていいよって』」
~ヘルパー11年目Aさん~



 学生アルバイトのB子さんは、
福島県のいわき市生れで、
今年成人式を迎えました。
「4年前の3月11日は、高校一年生の時でした。
とても恐い思いをしました。学友も亡くなりました。
私は、今年成人式を迎えることができて、
幸せだなと思います」



 私がヘルパーになったのは、
夫が難病になり、家にヘルパーが来てくれるようになって、
ヘルパーの存在を知ったからです。
夫は亡くなりましたが、
私は、今もヘルパーを続けていられてよかったと思い、
夫に感謝しています。

2015年1月7日水曜日

わの会通信よりVer.28~

あいあい研修

あいあいの利用者さんは、12月1日現在で38人おられます。
4月には、35人でした。少し増えました。

利用者さんのサービス内訳は、介護保険のみの方が4人、
障害制度を利用されている方が34人、

さらに障害の内訳は、難病ALS患者7人と視覚障害者15人で
全体の57.8%を占めています。

 当事業所も、ヘルパーの人手不足が続き、仕事量を増やせない状況です。
勤続年数が他事業所に較べ、比較的長い方が多く
、又、医療行為が可能な研修を終えている人、
ならびに、ガイドヘルパーの有資格者が多いことも特徴的です。

従って、新利用者さんがあいあいを利用する際の理由は、ガイドヘルパーを希望して、
又、吸引のでき る事業所を希望してという方が多く、
あいあいは、難病や、視覚障害という重い障害を抱える方々の受け皿になろうと努力しています。


あいあいの利用者さんに、さらに行き届いた安楽な介護を提供できるように、
今年は、次のような取り組みを進めてきました。

(1) 利用者さんをよりよく理解し、行き届いた介護を提供するために、
利用者さんごとのヘルパー会議を、9、10、11月の3か月で8人実施することができました。

主な内容は、「利用者さんからの指示が「きつい」と思う時は、
利用者さんの体調が悪い時が多いのではないか。
看護師や御家族に相談してみることも大切」、
「ADLのアセスメントを、みんなで行うことで、利用者さんの現状を改めて確認できた」、
「私はできなかったが、他のヘルパーができていることがわかった。
私もやってみようと思えた」などでした。

(2) 利用者さんからの苦情や事故など、可能な限り減らすための取り組みを強化しています。

(3) 台風・積雪・地震時などの、災害時の個別マニュアルを開始しました。この冬は、雪の心配があり、間に合わせようと作成にあたっています。

(4) あいあいは、利用者さんへのサービスが滞りなく行われるように、利用者さん、御家族、ヘルパー みなさんの意見や要望を大切に受けとめ、運営にあたっています。ひとつの方法として、今年度もアンケートを実施しました。

~管理者 高橋直子